台風19号の初動対応で困難だったこととして県内19市町が「被災状況の把握」を挙げたことが11日までに、下野新聞社が行った栃木県内25市町へのアンケートで分かった。複数回答で最も多い回答で、河川の堤防決壊などが夜間に発生したため、現場確認の難しさに言及する自治体が目立った。避難情報発令の判断材料となる情報の入手に苦慮した実態も浮き彫りになった。台風19号が本県を直撃してから12日で3カ月となる。

 台風19号で県内は県管理の13河川27カ所で堤防が決壊。4人が死亡し、住家被害は1万3千棟を超えた。避難所は最大350カ所以上になったが、昨年12月までに全て閉鎖された。

 アンケートは昨年12月中旬から今月上旬にかけて実施。台風19号への対応や対策に関して尋ねた。初動対応では特に困難だったことについて、各市町に9項目の中から三つ選択を求めた。

 「被災状況の把握」を選んだ19市町は宇都宮や栃木、大田原、茂木、塩谷など。黒川の洪水などで市内で2人が死亡した鹿沼市は回答理由の記述欄で「被災箇所が増えたのが夜間だったため確認に苦慮した」と説明。荒川が氾濫した那須烏山市も「災害発生時刻が深夜で状況確認に時間を要した」と回答した。

 豪雨は昨年10月12日夜から翌13日未明に集中した。下野市の担当者は「消防団など被害を確認する側の安全確保も考えると夜間に無理はできない」と話した。

 「被災状況の把握」に次いで「住民からの問い合わせの対応」を挙げたのは、矢板や下野、高根沢など13市町に上った。日光や真岡、芳賀など10市町が選択した「避難勧告や避難指示の判断」では「中小河川は水位計が未設置、下流域に設置されているところもあり急激な水位上昇で避難に必要な猶予時間が確保できなかった」(足利市)など、水位の把握と避難情報の発令のタイミングに悩む声が複数あった。

 「市町庁内の情報共有」は大田原や上三川など7市町。宇都宮市は「状況把握に必要な情報を集約し、速やかに庁内において共有することが困難だった」と回答した。