氷を削りごみを取り除く山本さん

氷を削りごみを取り除くスタッフら

氷を削りごみを取り除く山本さん 氷を削りごみを取り除くスタッフら

 栃木県日光市の特選日光ブランドに認定されている「日光の天然氷」が暖冬の影響で危機に直面している。氷の厚さが足りず、切り出しが始められていない。天然氷は主にかき氷に使われ、全国から注目されている品でもあり、関係者らは寒波の到来を切願している。

 11日午前7時ごろ、御幸(ごこう)町にある「氷屋徳次郎」の製氷池。今週中頃の強風などで落ちた木の枝葉を取り除くため、スタッフが氷の表面を削る作業を進めていた。人が乗れるほどの厚みではないため、池の端から届く範囲をきれいにした。

 切り出しには14センチ以上の厚さが必要だというが、この日の作業後に測った氷の厚さは6センチ。半分以上足りていない。

 氷屋徳次郎4代目の山本雄一郎(やまもとゆういちろう)さん(69)は「例年は1月上旬にシーズン最初の切り出しを行う。今年は乗ることもできないほど氷が成長していない」と話す。山本さんは天然氷生産に携わって14年目。切り出しがこの時季まで遅れるのは初めてだという。

 例年では1回目の切り出しが終わり、2回目のための製造が始まるこの時季。暖冬は天然氷だけでなく、同社のメープルシロップ生産にも影響する。山本さんは「沢の水が凍らずに流れている。春先の水不足も考えられる」とも危惧する。

 宇都宮地方気象台によると、暖冬傾向は来週以降も続き、強い寒波や極端な冷え込みがある可能性は低いという。山本さんは「1週間程度寒さが続けば何とかなる。これからいい方向に向かってほしい」と願っている。