トーナメント表を見ながら当時の戦いを振り返る吉沢さん=10日午後、宇都宮市内

小田原高サッカー部の記念誌を手に、当時を振り返る川口さん=8日午前、小山市内

トーナメント表を見ながら当時の戦いを振り返る吉沢さん=10日午後、宇都宮市内 小田原高サッカー部の記念誌を手に、当時を振り返る川口さん=8日午前、小山市内

 第98回全国高校サッカー選手権大会で本県代表の矢板中央高が11日、準決勝に挑む。県勢では1950年度の第29回大会決勝で宇都宮高が神奈川県代表の小田原高を4-0で下し、唯一の優勝を飾った。当時の両校のメンバーで現在は宇都宮市に住む2人がそれぞれ69年前の大舞台を振り返りながら、優勝を目指す矢板中央高イレブンにエールを送った。

■「母校のために全力で」 元宇都宮高GK 吉沢茂弘さん

 1951年1月7日、兵庫県西宮市内のグラウンド。「いよいよ来たな」。宇都宮市西3丁目、宇都宮高のGKだった吉沢茂弘(よしざわしげひろ)さん(87)は、大舞台での胸の高鳴りを今も覚えている。

 前年の大会も決勝に進んだが、準優勝に終わった。雪辱を誓った大会では、学友が寄付金を集めて、交通費を捻出してくれた。「涙が出るほどうれしかった。おかげでコンディションを崩さず試合に臨めた」

 後にメルボルン五輪代表となるFWの岩渕功(いわぶちいさお)さん、DF小沢通宏(おざわみちひろ)さんを擁したチームは技術、走力で圧倒し順調に決勝へ。当時は革新的だった3バックも効果的だった。決勝は「しっかり試合を見渡して、仲間へアドバイスできた」。自身はフル出場で、無失点に貢献した。

 東京教育大(現筑波大)卒業後、県内の高校でサッカーを指導。県サッカー協会理事長なども務めた。「相手をリスペクトし栃木、学校、級友のため全力を尽くしてほしい」。矢板中央高イレブンにも、同じ景色を見てほしいと願っている。