昨年末の小紙に、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが上場し、時価総額が米国のアップルを抜いて世界一に躍り出たとの記事があった。その額、何と200兆円▼時価総額とは上場株式数に株価を掛けた数値である。企業の価値を示す指標として日本では売り上げや利益率を重視しがちだが、世界と比較する場合には時価総額こそが重要な物差しとの話を聞いて、本県関連企業の現状を調べてみた▼失礼ながら結果には驚いた。宇都宮市に本社を置き、医科・歯科治療機器を扱う医療機器メーカー、マニーの直近の時価総額は、約3300億円に上る。売上高は200億円に満たないが、全国の上場会社の中でも350番台という高い評価を誇る▼ちなみに足利銀行を傘下に持つ、めぶきフィナンシャルグループもほぼ同水準だ。マニーの松谷正明(まつたにまさあき)取締役会副議長はその理由をこう明かす。「高い営業利益率と企業ガバナンスの先駆的な在り方が、市場からの高評価につながっている」▼経営の原点は「企業の永続性」だとも言う。「倒産は社会に最も迷惑を掛ける行為」であり、それが徹底した企業統治の実践に直結する▼緊迫する中東情勢もあり、景気の先行きがどうなるか新年早々、不安が増す。だが、地道な経営努力で世界的な評価を得る地場企業の存在は頼もしい。