学園祭で歌うのせゆみこさん=2019年10月、塩谷町の日々輝学園高

 栃木県大田原市在住のシンガー・ソングライター、のせゆみこ(本名・野瀬有美子(のせゆみこ))さん(25)が7月、自身の不登校の経験から生まれた歌「かけがえのないキミへ」でCDデビューする。「今の自分と重なる」「心が震えた」。ライブで共感を広げてきた特別な一曲だ。「どんな時でもキミは 決してひとりじゃないから」。思いを込めて歌い続ける。

 中学1年の時だった。

 頭痛や腹痛、体が重くて動かない。のせさんは学校に行けなくなった。

 「心は行きたくても体が言うことを聞かなかった」

 中学2年の夏休み明けから、大田原市の適応指導教室に通い始めた。そこには、同じ体験をした仲間がいた。

 「私だけじゃないんだ」

 先生のギターに合わせて教室のピアノを弾き、みんなで歌うと「気持ちが解放できた」。ようやく見つけた居場所だった。

 そんな時、ボランティア活動で訪れた老人ホームで、とちぎ未来大使のえりのあさんと出会った。介護の仕事をしながら、シンガー・ソングライターとして歌う姿に「私も音楽で元気を届けたい」。夢ができた。

 塩谷町の通信・単位制高校「日々輝学園」を卒業後、進む道を考える中で「かつての自分と同じように悩んでいる子どもたちのために歌おう」と思うようになった。そして「かけがえのないキミへ」が生まれた。

 「『がんばれ』だなんて言葉に 耳をふさいだあの頃」「他人と同じことができなくて 自分に苛(いら)立っていたあの頃」…。歌詞には実体験がストレートにつづられ、こう呼び掛ける。

 「キミは世界でたったひとりの かけがえのないたからもの 泣いていても怒っていても 素直な気持ちのままでいいよ どんな時でもキミは 決してひとりじゃないから」

 ライブで歌うと評判を呼び、福祉施設や学園祭、イベントなどに次々と呼ばれるようになった。「自分の気持ちに寄り添ってくれてありがとう」「私の子どもも不登校。一緒に頑張ろうと思います」。観客からは共感のメッセージが届く。

 7月19日、えりのあさんと同じレーベルからのデビューが決まった。大田原市の那須野が原ハーモニーホールで同日ライブも行う。

 「仲間や恩師、家族。いろいろな人に支えられて、こうして元気で大好きな音楽を楽しめている。その恩返しに、笑顔の花畑をつくりたい」。感謝を胸に、心を込めて歌う。

◇歌詞全文はこちら