自身の鋳物作品について話す正田さん(右)と樫村社長(左)

 【佐野】天明鋳物の歴史を支えた正田家の末裔で、全国的に活躍する鋳金家正田忠雄(しょうだただお)さん(72)=金吹町=が、インターネットで鋳物作品の通信販売に乗り出す。ネットを通じて若者にも鋳物の魅力をアピールし、新たな購買層の開拓を図る。正田さんは「若い人は鋳物のことをほとんど知らない。(通販サイトが)鋳物と出合うきっかけになってくれたらうれしい」と話している。

 正田さんは日本工芸会正会員で、現在は栃木市藤岡町大田和の工房で制作活動を行っている。

 市や正田さんによると、大量生産・消費社会の到来や、明治以降の生活の洋風化の影響で、伝統工芸品の生産額は各地で右肩下がりが続いている。市の伝統工芸「天明鋳物」も最盛期には70軒以上の鋳工所が軒を連ねたとされるが、現在は正田さんを含め4軒まで減っているという。

 そこで新たな販路の獲得策として、市地域おこし協力隊の荻原広明(おぎわらひろあき)さん(26)が正田さんに通販サイトの活用を提案。「KAZAANA」(東京都千代田区)が運営する通販サイト「BECOS」での販売を決めた。通販サイトを使うことで、自社のウェブページを作成する場合よりも大幅に労力を省けるという。