首都圏では近年、コンビニや飲食チェーン店で働く日本人の店員が珍しい。20代のネパール人女子大生は都心のコンビニのレジに立って新年を迎えた▼彼女は大学に通いながらコンピューターを学ぶ。週4回、毎日6時間の勤務で月収は12万円弱。家賃を払うと、ぎりぎりの生活と言う。それでも「母国の月収2万円に比べたら恵まれている」。日本のIT企業に就職する夢を抱く▼コンビニ業界の人手不足は象徴的で、背景は急速な少子高齢化。政府は年末、2019年の推計出生数が86万人余りと発表した。1899年の統計開始から初の90万人割れで、来年と予測していた想定より2年早い▼人手不足の問題は農林漁業や製造業など地方にも広がって久しい。安倍政権は昨年4月から在留資格「特定技能」を携えた外国人労働者の受け入れに乗り出したが、特定技能の在留外国人は昨年9月時点で219人。5年間で最大約34万人の目標は危うい▼かつて外国人労働者は中国人が多かったが、近年はベトナムやインドネシアなどが増えている。母国が豊かになれば、日本で稼ぐ必要がなくなり、出身国も年ごとに移ろう▼深刻な人材不足にどう対応するのか。将来を見越した政策は聞こえてこない。コンビニの彼女のような異邦人がいつまでも日本で働いてくれるわけではないのに…。