被災地に仏像贈る山口さん、足利で17日まで作品展

 【足利】手作りの木彫り地蔵や仏像を東日本大震災などの被災地に送り続けている松田町、そば店主山口千二(やまぐちせんじ)さん(77)の作品展「地蔵・仏像の木彫展」が17日まで、大橋町1丁目の市民活動センターで開かれている。2014年11月に個展を初開催してから5年目。山口さんは「見てくれた人の心が落ち着き、和んでもらえれば」と来場を呼び掛けている。

 山口さんは定年後、子どもの頃から好きだった木彫りを本格的に始めた。ウメやヤマザクラなどの木を約5年乾燥させ、彫刻刀で10日~1カ月かけて完成させるという。

 しかし11年、木彫りに打ち込む中で東北の震災の様子をニュースで知った山口さんは「被災者の役に立ちたい」と像の寄贈を考えた。

 役に立ちたい一心で寄贈先を探し、同年6月、報道関係者の協力を得て宮城県石巻市の寺院に約30体の地蔵を届けた。また地元観光協会の協力で、震災時に同県南三陸町役場で避難放送を続け、津波で命を落とした同町職員遠藤未希(えんどうみき)さん=当時(24)=の遺族にも仏像を贈ったという。

 今回の木彫展に並ぶのは、赤色で独特な風合いが特徴の「紅梅見返り阿弥陀如来」や太陽と月を表す「千春(せんしゅん)観音」。4年かけて彫り上げた計88体のヒノキの地蔵、仏像を含め約110体は壮観だ。