人類にとって最も身近な哺乳類の一つと言えるだろう。食物を食い荒らし、家をかじり、病原菌をまき散らす。今年の干支の「子(ね)」、ネズミのことである▼今も昔も厄介者だが、古来、幸運をもたらすとされてきた。大国主命(おおくにぬしのみこと)の使いと言われ、京都にある神社は「狛ねずみ」を祭る。日光には、修行中の勝道上人に稲穂を運んだ白ネズミの伝承がある▼上人が足にひも(緒)を結んで行方を追ったところ、現在の足尾地区の洞窟に入ったため、そこに大国様と共に祭ったという。「足の緒」は地名の由来でもある。その流れをくむ大きな大国像が日光二荒山神社に鎮座している。初詣にいかがだろう▼ネズミは繁殖力が強く、子宝、子孫繁栄の象徴でもある。全国の出生数が過去最少となり、社会の少子化が深刻化する。問題解消への糸口をつかめるだろうか▼前回の子年は2008年。リーマンショックである。そこを生き抜き、立ち直った陰には、ネズミの生命力が宿っていたか。十二支の一番手になるため、他の動物をだましたとされる。うそはいけない。だが、前に進むには知恵や戦略も必要ということだ▼子年には必ず五輪があり、今年は東京開催。「鼠(ねずみ)も虎になる」のことわざがある。ネズミの例えは別にして、県勢も試合は虎の勢いで。日本中が興奮する年にしてほしい。