クリスマスに宇都宮市で最後の熱唱を披露した森昌子(もりまさこ)さん。翌日の小紙特集面は足跡をたどる写真を掲載した。人気のコントの場面、舞台に「生そば」「もり」「かつ丼」の文字が並んだ▼街のそば店の設定だが、この風景が減っていることを感じる。宇都宮の中心部、昼時に足を伸ばせる範囲で今年だけでも3店が閉店。さかのぼればさらに増える。多くは後継者難を抱えての廃業だ▼県めん類業生活衛生同業組合によれば、2016年時点で県内の「そば・うどん店」は795店。12年から4年間で100店ほど減った。同組合も脱退理由で多いのは「廃業」で、高齢化し後継者問題に直面する組合員も目立つ▼事務局の大森哲夫(おおもりてつお)さん(63)も廃業経験者。後継ぎは見つからなかった。「出前もやっていたし、今でも再開してくれないか、という人がいる」。大森さんの店に限らず同じ思いを持つ人は多いだろう▼一方、食べる側はどうか。同組合は県内高校に、手打ちそばの出前授業を行っている。開始前に2割ほどの「そばが好き」という生徒が、試食後は7割に増えるという。食わず嫌いなのか。そば好きになった生徒が将来、業界を盛り上げてくれるといいのだが▼きょうは令和元年を締めくくる大みそか。営業が続く店のありがたみを感じながら、自慢の手打ちを楽しみたい。