専門性と総合力で躍進

 

 専門分野の医療施設はもちろん、2018年の東京進出を機に依頼が増えているホテルや複合ビルの建築設計でも、クライアントのニーズやこだわりは実に多種多様であり、ミッション達成のために越えなければならないハードルも少なくない。そうした一つ一つのミッションに、クライアントに徹底して寄り添う姿勢と「檜山ならでは」と称される斬新な発想で応え、確かな実績を積み上げてきた。

 例えば、昨年11月に建て替え工事が完了し、今春オープンするJR宇都宮駅周辺の保育園。園児の安全のために3階(約300平方メートル)を室内で遊べるスペースとしたほか、屋外においても限られたスペースで駐車場と園児の遊び場が共存できるよう工夫している。「これが結構大変で、子どもの安全性を考えた素材の選定と、耐久性を確保することに知恵を絞りました」と笑顔で振り返る。また、今年4月に野木町にオープンする人工透析施設は、クライアントの「故郷の青森ヒバを使いたい」との要望に応え、和風の青森ヒバとモダンなデザインとの調和に苦心したという。

 一方、東京でもさまざまなニーズに対応している。医療分野では昨年、「眼科で網膜剥離だけを扱う専門医院」の設計を手掛けたほか、現在工事中の大規模な複合ビルでは多数のデザイナーらを統括するディレクターの仕事も担った。

 「東京での仕事は売上ベースで全体の3割を占めるほどに成長しています。マーケットが広く、より専門性を発揮できますし、大規模な建築物では私たちの総合力にも評価をいただいていると考えています」

 今年の目玉は、1月から設計がスタートする京都市内一等地のホテル。「京都は外観などに厳しい制約がありますが、その中でクライアントが求めるオリジナリティーをどうやって出していくか。それが楽しみでもあります」と、揺らぐことのない信念を語った。