「基礎体力づくり」の一年

 

 世界で使用される麻酔針の約35%を製造しているビー・ブラウンエースクラップの栃木工場。昨年、製品の受注から出荷まで一括管理するサプライチェーンマネジメント部門長から工場長に昇格した。グローバルな医療業界の現状を「途上国と言われていた国々の経済的発展により医療機器の需要は伸びている一方、競争も激化しています」と受け止め、「品質はもちろん、コスト意識もさらに高めないと競争を勝ち抜けません。この状況をチャンスと捉え、10年後、20年後まで盤石にビジネスを続けていける基礎体力をつける一年にしたい」と力強く語る。

 ドイツに本社を置くビー・ブラウングループは、早くから日本の細やかで確かな技術を高く評価し、本県に国内唯一の生産拠点を構えた。これに加えて「今後は、日本の優秀な要素技術メーカーと協業しつつ潜在的な顧客ニーズに応える新製品を発信し、さらなる工場のプレゼンス向上を目指したい」との想いから、昨年10月「R&D機能」を新設した。これは、日本の厳しい顧客要望をグローバルにフィードバックし、グループ全体の製品品質や商品魅力をさらに押し上げるサポート機能を果たすという意思の表れでもある。

 また、「日本は世界有数の自然災害大国です。その日本でビジネスを続けるという観点に立ち、今年は改めてBCPの基礎を構築する年になる」と気を引き締め、サプライチェーンのリスクヘッジや生産フレキシビリティの向上を目指す。

 約280人が勤務する栃木工場では、2017年に社員食堂に「タニタ定食」を導入し、18年からは社員の手作りによる秋祭りを開催している。「人は城、人は石垣、人は堀、というのを実感しています。従業員一人一人に『ここで働いていて良かった』と感じてほしい。ベタですけど、レクリエーションを通じて従業員同士の輪が広がり、一つのチームとして融合できるよう、そこは一番力を入れていきたいところです」