「百年企業」へ地道な歩み

 

 商材は、即席めんの粉末スープ、粉末茶、昆布やカツオエキスの和風調味料、プリンのカラメルソース、冷凍和菓子など実に幅広い。得意先には誰もが知る大手食品メーカーの名前がずらりと並ぶが、そうした食品の素材の製造を一手に担っている会社について消費者の認知度は決して高いとは言えない。

 今年で創業74年目を迎える食品素材の国内トップメーカーは、大目標である「百年企業」に向けて着実に歩を進めている。

 「我々の会社は、目立つことのない黒子のような存在です。地道に、愚直にやっていかなければと考えています。四半世紀先の『百年企業』を見据え、今年も国内外で自社商材の拡販、提案営業の強化といった基本的な部分にしっかり取り組んでいきます」

 中・長期的な成長の鍵を握るのが海外戦略だ。中国では、2018年に現地の龍和食品を連結子会社化し、昨年は移転・新築した新工場が本格稼働するなど、順調に推移している。昨年から中国担当の役員を現地に常駐させており「成果に期待しています」と力を込める。「今年は収益基盤の確立を図りたい。新工場の稼働を機に龍和食品との一体運営をさらに進めていきます」

 ベトナムでは昨年、製造子会社の仙波糖化ベトナムカンパニーを設立し、今年は自前の新工場を建設して生産に乗り出すという。「当初は現地のパートナーによる生産の方針でしたが、マーケットリサーチの結果、自社工場を持つことを決断しました。これにより海外収益の基盤をさらに強固、拡充していきたいと思っています」と攻めの方針転換を説明する。

 一方、「働き方改革」に積極的に取り組み始めるとともに、工場内での安全対策により一層力を注ぐ方針だ。「百年企業を実現するためには、社員が安心して働ける環境づくりが欠かせません」と自らに言い聞かせるように語った。