「二兎」を追う成長戦略

 

 「『二兎(にと)を追う成長戦略』で乗り切っていきます」

 昨年9月、配電盤などの設計・製造を手がける宇都宮市の「ダイニチ」を子会社化した。同じく昨年5月には同業の埼玉県川越市の牛山電工を子会社化しており、企業の合併・買収(M&A)に積極姿勢を示す。5年前にもソフトウエア開発の「システム・ツール」を子会社化している。

 「M&Aにはそれぞれ持続的に成長するための理由があります。『ダイニチ』は老舗の製造業で品質、クオリティーに優れた会社です。製造業は私たち電設資材卸売商社にとって新規の分野です。既存事業を深掘りするのもいいですが、それだけではいつか壁にぶつかります。長期的ビジョンを見据えたイノベーション組織戦略なのです」と明かす。

 ダイニチの子会社化について「右手に卸売商社、左手に技術、製造業。これで二兎を追っていきたい。牛山電工の子会社化で栃木、茨城、群馬に加え東京、埼玉と1都4県にマーケットが一気に広がったので積極的にいきたいですね」という。グループ会社は5社となり、社員数は234人、売り上げは99億円になった。今年中に5社の売り上げで合計100億円を目指す。

 今年は社内に「次世代イノベーション委員会」を立ち上げる。「20~30代の若手社員のみを集めて、社内のIT化、ペーパーレス化、ソーシャルネットワーク化などデジタル時代の発想と交流の場を設けて、今後の時代に対応するための適応能力を磨いていくつもりです」

 さらなるM&Aについては「良い出会いがあれば、ないとは言いません」と笑った。「創業から72年目になりますが、過去40年間赤字になったことは一度もありません。父は『会社の中に小さな赤字部門を一つ作りなさい』と言いました。先行投資部門を作れという意味だと思います。私はそれを『二兎を追う』というかたちで継承したつもりです。攻めの姿勢で今年も取り組みます」