連携深め日光の魅力発信

 

 修復を終えた日光東照宮陽明門の公開やJRグループの大型事業など、ここ数年、日光は特需とも言える年が続いたが、こうした反動に加え、昨年10月の台風の影響で宿泊のキャンセルが相次いだ。「今後は温暖化による災害がますます増えていくとも言われており、防災意識をさらに高めていかなければいけないと再認識させられました」。そうした中、「今年は地域、産学官などさまざまな連携を深めることで、宿泊増加につなげていきたい」と展望する。

 日本の文化財の専門家であるデービッド・アトキンソン氏は、「自然、気候、文化、食事という観光に必要な要素が日光には全てそろっている」と提言するが、一方で訪日外国人は日帰りが増え、宿泊者数は伸び悩んでいる。こうした実情を受け、「日光でのアクティビティコンテンツの増加」と「隣県との広域連携」で活路を開く。「日光ならではの付加価値を付け、隣県と協力しながら他地域との差別化を図っていきたいですね」

 今年5月には、東武鉄道100%出資による新会社が経営する「ザ・リッツ・カールトン日光」が開業を迎え、「奥日光はますます注目を浴びるでしょう」と期待を込める。東武鉄道は日光のリゾート地としての復権にも力を注いでおり、「金谷ホテルも東武グループの一員として、こうした後押しに報いていけるよう本気で取り組んでいきます」と決意をにじませる。

 全国九つのホテルで運営する「日本クラシックホテルの会」は、同社長が会長を務めるが、ホテルパスポートなどの企画も好評で、「クラシックホテルの素晴らしさを国内外に向けて積極的にPRしていきたい」と意欲的だ。今後、懸念される深刻な人材不足に備え、経験豊富な高齢者の雇用や女性の活躍推進、海外からの人材雇用も進めながら、現存する日本最古のリゾートホテルにふさわしいサービスを提供するため、人材育成にも尽力する構えだ。