顧客に必要とされる存在

 

 携帯端末と利用料金の分離プラン、電気通信事業法の改正、新しいプレーヤーである楽天モバイルの参入と令和の時代に入って移動体通信販売業界を取り巻く環境は大きく変化した。政府主導によるキャッシュレス推進化の波とともに、消費者動向がどう変わっていくかが注目されている。しかし、そんな中にあっても「どんな時代でも、顧客接点における我々の使命は顧客に必要とされる存在で在り続けること」との信念は決して揺るがない。

 業務無線を扱う会社として1963年に創業。さまざまな通信機器の販売から保守までを手掛ける。現在、地元の大谷石と孟宗竹を配した建築意匠が目を引くドコモショップ宇都宮北店・宇都宮上戸祭店を運営。

 人工知能(AI)等による情報技術の進化に伴う社会構造の変化の中で「同じ商品を購入するにしても価格や利便性だけではなく、それに関わるプロセスで顧客にとっての価値や満足度は大きく変わるはず」という考えのもと、接客の質の向上に力を注ぐ。

 日本の経済において右肩上がりの成長戦略は既に限界を迎えており、人口動態を踏まえた次のフェーズに企業も真剣にシフトすべきと指摘する。「利益確保は大前提ですが、そこに比重がかかり過ぎると倫理観の問題が起きます。会社というのは単なる仕組みであり、そこにいる人間が仕組みを生かして顧客のために何をすべきかを自分で考え、行動することが重要」と組織としての成長を願う。「働き方改革の形にとらわれず、本来あるべき姿である働くことの尊さと他者への真(しん)摯(し)な関わりを重視した地域との共存共栄」を目指していくという。

 自分の仕事の道標として民俗学者の宮本(みやもと)常一(つねいち)が本に遺した「ほめられなくても自分の気のすむような仕事はしたいものだ」という名もなき石工の言葉に思いをはせる。「こんな時代だからこそ、自分もそうでありたいと強く思います」