建築の質の向上を追求

 

 昨年は台風19号の上陸で、県内でも多くの建物やインフラなどが多大な被害を受けた。「自然災害に強い建築の重要性など、建築士として災害対策に何ができるかについて強く考えさせられる一年でした」と振り返る。

 大きなプロジェクトとしてはJR宇都宮駅東口地区整備事業と、JR栃木駅北口整備事業に参画している。「駅周辺が活気づくことで、さらにその周辺もけん引されます。中心市街地の活性化に貢献したいですね」と期待する。

 建築関係では2022年の「いちご一会とちぎ国体」の舞台となる、総合スポーツゾーンの新スタジアムと新武道館の設計に携わった。新武道館は昨年9月に完成し、県マロニエ建築賞を受賞した。22年利用開始予定の宇都宮東署新庁舎の設計も担当した。

 「建築の質の向上」を理念として掲げる。建物は構造や景観の美しさだけでなく、社会的要素も求められるという。「建築物はクライアントのものであるとともに、社会的なものでもあります。風や日照など、環境に悪影響を与えないよう配慮しています」と強調する。

 昨年、埼玉事務所(さいたま市)を新設した。近年、東京事務所の受注が増加しており、宇都宮の本社との中間地点に新事務所を設けることでさらなる受注増を見込む。「本社と埼玉、東京で広域的に連携を強化していきます」

 18年6月から2年の任期で日本建築士事務所協会連合会(日事連)の会長を務めており、都内での理事会や各種会合への出席など、業界の取りまとめ役として多忙な日々が続く。昨年10月は福島県で開催された日事連の全国大会にも出席した。

 20年はスマート社会への対応が課題になると見通す。「社会の変化を的確に判断し、対応していきます。引き続き地域の活性化に寄与するような、社会性のある仕事を手掛けたいですね」