五輪後見据え新たな一歩

 

 インストア販売や郵便局での「置き野菜」の拡大、イベントの出店など、地域との関係性を深めると同時に、社内の仕組みづくりに取り組んだ一年だった。「農産物直売所は生産者や地域の特性を理解し、信頼関係を築かなければ商売になりません」。安定した運営を継続させるためにも「まずは人材育成が先決」と、社内研修やルールづくりなど地盤づくりに力を注いできた。しかし、それもある程度の成果を見せ、しっかりとした足場が固まってきたと実感できるまでになり、「今年は新たな一歩を踏み出す時期にきたと思っています」と決意をにじませる。

 その一つが、EC(自社によるインターネット)販売だ。栃木県の農産物は全国的にみても評価が高く、「東京にこういう店があったらいいのに」と、以前からよく言われていたという。また、直売所はどうしても売れ残りのリスクがあるが、受注販売であれば売れ残ることはない。「何より、販売できるチャネルを増やしていくことが、モチベーションの意味でも利益の意味でも、農家さんのメリットになるのではないか」と考えた。「EC市場は、まだまだ伸びる市場だと言われており、トライする価値はあるなと判断しました。高齢化も進んでいますし、地元の方にも利用していただきたいと思っています」。最初はイチゴの販売からスタートし、少しずつ扱う商品を増やしていくという。「そうして、ゆくゆくは定期便として栃木のおいしいものを全国に販売できれば」と期待を込める。

 自身が会長を務める「とちぎニュービジネス協議会」は、1月に本県で全国大会が開催される。五輪後の景気下降に備え、新しい価値を見出していこうとの思いを込めたテーマは、「NEW  JAPAN宣言」。「栃木をPRできる絶好のチャンスです。下を向いている場合ではありません。五輪後に向けた新たな一歩として、明るい未来のために踏み出していきます」と力強く語った。