2カ月半ぶりの営業再開に向け準備が進む「THE STANDARD BAKERS」=20日午後、宇都宮市大谷町

 10月の台風19号で被災し休業を余儀なくされている宇都宮市大谷町のベーカリーカフェ「THE STANDARD BAKERS(ザ・スタンダード・ベイカーズ)大谷本店」が来年1月2日、約2カ月半ぶりに営業を再開する。泥水が入り込んだ店内を清掃、消毒し、浸水で使えなくなった厨房(ちゅうぼう)の機器類を入れ替え、再開にこぎ着けた。メニューや店内のレイアウトを一新し、新年早々から客を迎え入れる。

 同店は2018年4月、廃業したレストハウスを全面改修してオープン。商業施設のコンサルティングを手掛けるカルチャーバンクスタジオ(宇都宮市簗瀬町)が出店した。ベーカリーカフェとカジュアルレストランで構成し、大谷地区の人気スポットとなった。

 しかし、10月12日に本県を直撃した台風19号の影響で近くを流れる姿川が氾濫し、店は高さ50センチほど浸水した。店内には泥水が流れ込み、粉をこねるミキサーやオーブン、冷蔵庫などの機器類はほぼ使えなくなった。

 「あぜんとした。どうしよう、という思いしかなかった」。同社の松本裕功(まつもとひろのり)社長は予期せぬ被災を振り返る。営業は休止に。日光市御幸町の日光店でのパン販売もできなくなった。

 松本社長は保険会社との調整など対応に追われた。店内をクリーニングや消毒し、厨房の機器類なども入れ替えた。被災を知らず店を訪れる客の姿もあった。2カ月半かかって再開を迎える。被害総額は約5千万円に上るという。

 一方、同じような災害への不安は残る。大谷地区では複数の店舗が浸水被害に遭った。「また次に災害が起きた時はダメージが広がり、住民や地域事業者が減ってしまう」と危惧する。「住民が安心して住めて、事業展開できる環境をつくってほしい」とし、河川整備などの対策を訴える。

 来年1月2日のリニューアルオープンではメニューを一新し、モーニングサービスの午前8時半から営業する。2~5日はパンやレストランの割引サービスや福袋などを企画している。

 松本社長は「正直、本当に疲れた」と吐露する。一方、「2カ月半の休業期間は有効な時間だったと、サービスでお客さまに伝えたい。店のクオリティーを上げ、前を向いて進んでいきたい」と話している。