将棋プロ棋士・長谷部浩平さん(24) ファンが楽しむ対局を

 日本将棋連盟の四段に昇段した長谷部浩平(はせべこうへい)さん(24)=小山市=が、戦後初の本県出身プロ棋士として活動を始めて1カ月。羽生善治(はぶよしはる)永世七冠を頂点に約160人の棋士がしのぎを削る「勝負の世界」に挑む意気込みを聞いた。

  −本県待望のプロ棋士が誕生しました。将棋ファンからは「先生」と呼ばれます。

 「指導対局など活動が始まっています。先月、宇都宮市で名人戦の大盤解説をした時、来場してくれた本県将棋界の先輩たちに『長谷部君と呼べなくなったね』と言われました。小学生の時からお世話になっている皆さんのうれしそうな表情が感慨深かったです」

 −プロ初対局はいつですか。

 「若手棋士が参加する第8期加古川青流戦の1回戦で高野智史(たかのさとし)四段と対戦します。まだ日程は決まっていませんが、今月中に対局があると思います。自分らしい将棋を指しながら、徐々に自信を付けていきたい」

 −棋士養成機関の「奨励会」に小学6年生から11年間所属しました。

 「年齢制限があり、26歳までに四段昇段してプロ棋士にならなければ退会です。二段で壁に当たり、(将棋を)やめる理由を探したこともあります。残り時間が次第に減っていくのを意識しました。支えてくれた両親や日本将棋連盟県支部連合会の皆さんに感謝します」

 −14勝4敗で三段リーグ1位となったのは宇都宮大の卒業間近でした。

 「36人のうち昇段できるのは2人だけ。先頭に立つと風当たりが強く、残る全員にとって倒すべき共通の敵となります。『これが最後の1局』という覚悟で対局に臨み、体も心もギリギリでした。将棋のつらさを経験したおかげで、以前より伸び伸びと指せるようになりました」

 −プロとして、どんな将棋を指したいですか。

 「奨励会に入ってから、将棋は楽しむものではなくなりました。将棋ファンが楽しみ、感動してもらえる対局がプロ棋士の仕事です。応援してくれる皆さんを支えに、『最後になってもいい』という1手を積み重ねます」