県内トップクラスだった選手が、マネジャーに名を連ねているのが意外だった。都内で15日まで行われたバスケットボールの第71回全日本大学選手権大会(インカレ)。女子で準優勝した白鴎大で、唯一の本県出身選手で1年生の黒川莉那(くろかわりな)が裏方としてチームを支えていた。

 宇中女高時代は主将を務め、3年ぶりに県新人戦優勝へ導いた。選手生命を絶たれるような大けがか、それとも病気を患ったのか-。だが、答えはどちらでもなかった。

 「将来は指導者になりたいんです。そのために、レベルの高いバスケットを学びたかった」。競技を始めた頃から抱いていた夢に向けて、第一歩を歩み出していた。

 コートに立つのではなく、客観的に選手を見る仕事だ。「白鴎大でトップレベルのマネジメントやサポート、戦術を習得した方が自分の将来に生きる」。入部当初から“転向”を決断し、昨年までとは違った角度でバスケットを吸収している。

 自らの経験を重ね「栃木県の高校のレベルは低い。関東、全国で勝てない」と率直に語る。確かに小中学生世代や大学、プロチームは全国で実績を残すようになったが、高校世代はいまひとつ。日本協会に選ばれた有望選手も、多くが高校入学で県外へ流出している。

 大学や社会人まで選手としてキャリアを積んだ指導者が多数派の中、彼女のような選択肢があってもいい。「栃木のレベルを上げたい」。その大志がかなうことを願っている。