サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪アーセナルに所属するメスト・エジル選手が、中国のイスラム系少数民族ウイグル族に対する当局の弾圧をSNSで非難し、中国側から猛反発を受けている▼中国国営中央テレビは、アーセナルの試合の放映を中止した。エジル選手はトルコ系ドイツ人でイスラム教徒。トルコは民族的にウイグル族に近い▼中国のウイグル弾圧を巡っては、EUや米国などが人権侵害を強く非難。国際調査報道ジャーナリスト連合も11月、大量拘束や大規模監視を裏付ける文書を報道したが、中国側は「でっち上げ」と否定している▼今回、中国当局がエジル選手のSNSに神経をとがらせたのは、2千万人以上のフォロワーを擁するからだろう。2014年のサッカーのワールドカップで、ドイツ代表の優勝に貢献したスター選手の影響力を当局は恐れた▼中国中央テレビは今年10月、米プロバスケットボールチームの幹部が香港情勢に言及した際も、試合の放映を中止した。スポーツ・ビジネスの巨大市場という立場を利用して、「物言う」選手らをどう喝している▼中国が自らの潔白を証明したいなら、やるべきことは難しくない。国連監視団による自治区への「無制限のアクセス」を認めることだ。拒否する間は何度弾圧を否定しても無意味だろう。