刀剣を手にする女性ファンら

展示されている安土桃山時代や江戸時代の作とされる甲冑

刀剣を手にする女性ファンら 展示されている安土桃山時代や江戸時代の作とされる甲冑

 新選組の沖田総司(おきたそうじ)が用いた刀として有名な「清光(きよみつ)」といった名刀や、江戸時代などの作とされる甲冑(かっちゅう)などを展示する栃木県真岡市大根田の「さむらい刀剣博物館」が開館から25年を迎えた。「刀剣女子ブーム」にも乗り、来館者は四半世紀で計約3万人に上る。22日には貴重な刀を特別公開する年内最後の「月1スペシャル」が開かれ、県内外から鑑賞に訪れた若い女性ら約20人が熱い視線を注いだ。刀剣の魅力にはまったファンの裾野も着実に広がっているようだ。

 博物館は、文化庁から刀職人「刀匠(とうしょう)」の承認を受けた柳田律夫(やなぎたりつお)館長(71)が1994年7月、1千年以上の歴史を持つ日本刀の美しさや魅力を多くの人に知ってもらおうと自費で設立。これまでに収集した刀剣など約4千点の中から、沖田総司が用いたとされる「大和(やまとの)守安定(かみやすさだ)」や、新選組副長の土方歳三(ひじかたとしぞう)が所持していた刀を作ったことでも有名な会津兼元(あいづかねもと)11代目作の刀など約100点を常設展示している。

 開館から数年は年間1千人前後が来館していたが、次第に低迷する時期もあった。しかし2015年からスタッフの解説を受けながら実際に刀に触れることができるミニイベント(土日と祝日開催)を始め、徐々にファンが増加。人気オンラインゲーム「刀剣乱舞」が火付け役となったブームも後押しとなり、ここ4、5年は年間約2500人が訪れているという。

 毎月第4日曜は「月1スペシャル」と銘打ち、博物館が主宰する刀剣会の会員らが所有する希少な刀などを特別公開。22日には南北朝時代の作とされる「舞草(もくさ)」や江戸時代初期という「東山美平(よしひら)」など十数本が持ち込まれ、訪れた10~30代の女性らが手にして「とてもきれい」などと感想を言い合いながらじっくりと鑑賞していた。

 もともと刀剣好きだったという下野市柴、会社員小川愛未(おがわまなみ)さん(32)は「長い歴史を受け継ぐ日本の文化財にかかわれることが最大の魅力」と語り、刃文や切先から作刀者を当てる「刀剣入札鑑定」の最難関伝位「奥伝(おくでん)」の取得を目指している。

 柳田館長の長男で博物館研究員の宗徳(むねのり)さん(37)は「来館者の大半は20~30代の女性だが、最近は外国人も増えている」といい、「刀剣入札鑑定を受ける『本格派』の女性が多くなっている。館長と共に刀剣ファンの裾野をさらに広げていけるようにしたい」と意欲を見せている。