現役で理容師を続ける103歳の箱石シツイさん

現役で理容師を続ける103歳の箱石シツイさん

 2020年東京五輪の聖火リレーのランナーに選ばれた103歳の現役理容師のはこ(いし)シツイさん(那珂川町)。「長男とスーパーに行くと夫婦に間違われることもある」という若々しい箱石さんに、毎日欠かさず続けている健康の秘策を教えてもらった。

 箱石さんは16歳で上京し、理容師の修業を積んだ。夫の二郎(じろう)さんと東京・下落合に2人で小さな店を持ったが、太平洋戦争で二郎さんが徴兵され、子ども2人と郷里の旧馬頭町へ疎開。生きるためにタバコの葉を乾燥する小屋で理容店を開き、二郎さんの帰りを待った。

 だが終戦から8年後、二郎さん戦死の知らせが届く。絶望した箱石さんは子どもと心中しようとしたが、小学生だった長男英政(ひでまさ)さん(76)が親戚宅に駆け込み、思いとどまったという。1953年に「理容ハコイシ」を開店し、今も散髪を続ける。

 お客さんの顔そりも行う理容師は手が命。「手の震えなんて全くないの。健康そのもの」と、にっこり。こたつから立ち上がり、伸びた背筋でスタスタ室内を歩く様子はとても103歳とは思えない。そんな“スーパーおばあちゃん”に散髪してもらいたいと、首都圏だけでなく仙台や岐阜、さらにはフランスからも予約が入るという。