コーディネーターの業務など骨髄バンク事業について話す楠さん(左)と小島広報渉外部長=先月上旬、東京都内

 骨髄移植で関係者間の連絡調整を担う日本骨髄バンク認定のコーディネーターが栃木県内で不在状態となっていることが14日までに、同バンクへの取材で分かった。他県のコーディネーターが対応し、移植への影響を防いでいるという。本県のドナー(提供者)登録者数は全国でも上位だが、移植の“調整役”の確保は大きな課題となっている。

 コーディネーターの主な業務は、ドナーや家族の提供意思の確認、骨髄採取の日程調整、健康診断や入院への付き添いなど。特別な資格は必要ないが、移植の知識などを習得する養成講座を受講した後、試験を経て同バンクの認定を受ける。全国の認定者数は170人。

 県内には2015年度に3人いたが、転居や転職によって本年度は1人になった。その1人も4月以降は体調不良で活動を休止し、実働可能なコーディネーターがいない状態となっている。

 東京都や埼玉県のコーディネーターが本県に出向いて県内ドナーに対応しているため、移植への弊害は出ていないというが「他県コーディネーターの負担が大きい状況」(同バンク)だ。

 同バンクによると、10月末現在の本県のドナー登録者数は1万9402人で、人口千人当たりの人数は沖縄県に次ぐ全国2位。競泳の池江璃花子(いけえりかこ)選手の白血病公表などもあり、支援への関心は高まっている。

 人口規模から見た本県のコーディネーターの適正人数は2~3人。地元在住であれば、「骨髄採取後の痛みが強い」といった問題が起きた場合に迅速に対応できるなど、ドナーの安心感や安全にもつながるという。

 コーディネーターの育成も担当する同バンク関東地区事務局の楠(くすのき)いわみさんは「体力、気力を消耗する仕事だが、ドナーとの出会いや共に過ごす時間に救われることもあり、やりがいは大きい」と話す。同バンクは養成研修を実施し、確保に努める方針だ。小島勝(こじままさる)広報渉外部長(59)は「業務内容や待遇などを理解した上での応募を待ちたい」としている。

 同バンクには10月末現在、全国で約52万6千人がドナー登録し、年間約1200件の移植が行われている。