台風19号による豪雨で堤防が決壊した大田原市北大和久の蛇尾川左岸で、冠水した下流の水田の大部分が来春、稲の作付けができない見込みであることが12日、分かった。定例市議会一般質問で、市産業振興部が明らかにした。

 現場の水田の被害は約66ヘクタールで、JAなすの管内全域の被害約79ヘクタールの約84%を占める。市によると、決壊現場近くの「河原大堰(かわらおおぜき)」の復旧の見通しが立たないため農業用水の取水ができず、被害面積の3分の2程度(40ヘクタール前後)が作付けできない見込みという。

 市は県内最大規模の耕地面積があるコメどころで、現場一帯も良質米の産地の一つとして知られる。堤防の決壊で下流の水田が南北約2キロにわたって濁流に襲われ、砂利やごみが流入したほか、現場直下の河原大堰の頭首工が流出した。

 決壊現場では、県大田原土木事務所による堤防護岸工事が優先して行われており、来年5月末までに完了する計画。頭首工の復旧は護岸工事後となるため、被害に遭った堰からの取水ができないという。別な作物への転作が可能な農家以外は、休耕を余儀なくされる見込み。市は13日、関係者に状況を説明する。