台風19号の影響で崩れた土手=11月下旬、茂木町小深

裏山の斜面が崩れ、木が屋根に倒れかかった落合さん宅=11月下旬、栃木市大久保町

台風19号の影響で崩れた土手=11月下旬、茂木町小深

台風19号の影響で崩れた土手=11月下旬、茂木町小深 裏山の斜面が崩れ、木が屋根に倒れかかった落合さん宅=11月下旬、栃木市大久保町 台風19号の影響で崩れた土手=11月下旬、茂木町小深

 台風19号に伴う土砂災害は県内で36カ所発生し、うち7カ所は土砂災害警戒区域に指定されていない場所だったことが10日までに、県のまとめで分かった。警戒区域外の3カ所では家屋被害もあった。県が警戒区域の指定を予定していた場所があった一方で、斜面の角度など国の定める警戒区域の基準に満たないため、未指定の場所もあった。本県直撃から12日で2カ月となる台風19号の記録的豪雨は、警戒区域外でも危険な箇所があることを改めて浮き彫りにした。

 県砂防水資源課などによると、台風の影響で県内では崖崩れ28カ所、土石流8カ所の計36カ所で土砂災害が発生。警戒区域外の7カ所は全て崖崩れだった。家屋被害は15カ所で、うち栃木市の2カ所、茂木町の1カ所は警戒区域外だった。

 栃木市大久保町、農業落合徳栄(おちあいのりえい)さん(70)宅には、台風が直撃した10月12日夜、崩れた裏山斜面の土砂が流れ込んだ。「地響きがして窓ガラスが割れる音で目が覚めた」と、落合さんは振り返る。屋根には、高さ20メートルほどの木2本が倒れかかっていた。

 落合さんは「今まで崩れることはなかったのに」と驚く。落合さん宅周辺は、県が警戒区域に指定するための現地調査を進めるところだったという。

 県は2014年までに警戒区域の指定を完了。現在は土地利用の変化などに対応するため、2巡目の調査を実施している。同課の担当者は「より精度の高い地図で危険箇所を抽出できるようになった」と話す。

 一方、警戒区域外の家屋被害2カ所は、警戒区域の基準に該当していなかった。栃木市岩舟町小野寺では山林の土砂が崩れ、民家1棟が巻き込まれた。

 茂木町小深の山間部にある男性(68)宅も、警戒区域外で被害に遭った。裏の土手が高さ、幅それぞれ約7メートルにわたって崩れ、土砂が窓ガラスを突き破った。男性は「雨や風には注意していたが、土砂崩れは頭になかった」と漏らした。

 同課の担当者は「斜面に近い所で家が建っていれば、土砂災害の被害に遭う可能性はある」と指摘。警戒区域外での土砂災害にも注意を呼び掛けている。

ズーム 土砂災害警戒区域

 崖崩れや土石流などの土砂災害が発生した際、住民に危害が生じる恐れがある区域。都道府県が地図上から危険箇所を抽出し、現地調査を実施して指定する。傾斜度30度以上で高さ5メートル以上の急傾斜地などが対象。県内は9月末現在、22市町に6806カ所ある。警戒区域のうち、より危険な場所は特別警戒区域としており6079カ所に上る。