約2カ月振りに観光案内を行う蔵の街遊覧船の船頭

 【栃木】台風19号で川に土砂が堆積し、休業状態だった巴波(うずま)川の遊覧船が5日、営業を再開した。約2カ月ぶりの運航に船頭たちはホッと一息。「多くの方に再開を知ってもらい、徐々に盛況を取り戻したい」と意気込んでいる。

 台風19号で堆積した土砂が約50メートルの中州となり、運航ルートを遮っていた。NPO法人「蔵の街遊覧船」によると、10、11月の休業中の予約キャンセル人数は約1万人。秋は行楽シーズンで年間利用者の約4分の1が訪れる書き入れ時のため、大きな痛手となった。

 同法人のメンバーは11月から土砂の撤去作業に取りかかり、同28日からは県栃木土木事務所も本格的に撤去作業に乗り出した。現在、土砂はほとんど取り除かれ、コイやカモが優雅に泳ぐ光景が戻っている。

 再開後2日で約50人が遊覧を満喫。船頭の大川和子(おおかわかずこ)さん(50)は「メンバーや観光客、多くの方の協力があって再開できた。ありがたい」と笑顔を見せた。観光客から「どうしても舟に乗りたい」「思い出を作りたい」などと再開を待ち望む声も寄せられ、その思いも後押しとなったという。

 一方、土砂の堆積で水位が以前より大幅に低くなってしまった箇所も。現在の運航に支障は無いが、5月~9月は田植えなどのために水位が10センチほど下がるという。船頭たちからは「また営業ができなくなるのではないか」と不安の声も上がっている。