事業停止し破産した民間産業廃棄物処理業者「エコシティ宇都宮」の補助金を巡り、県が国に納付した補助金相当額約1億9600万円を返すように求めた訴訟の控訴審の判決が5日、東京高裁であった。大段亨(おおだんとおる)裁判長は、県側の主張を認めて国に全額を戻すよう命じた一審宇都宮地裁判決を支持し、「(国から県に対する)納付命令は法的根拠を欠くもので無効だ」として国の控訴を棄却した。

 主な争点は一審と同様に国の命令の適法性だった。

 国庫補助事業で整備した財産の処分には、事前に国の承認が必要になる。エコシティを巡っては操業停止後、宇都宮市が県に、県が国に対して競売による不動産の処分を申請。国が承認し、所有者が第三者に移った経緯がある。

 エコシティ宇都宮補助金返還問題を巡る訴訟 

 エコシティの操業停止に伴い、国の求めで県は補助金の一部の約1億9600万円を返還。市に同額の返還を求めたが拒否され、2012年に市を提訴した。1、2審ともに県の請求は棄却され、16年に敗訴が確定した。13年には市民オンブズパーソン栃木が、福田知事に約2億円の損害賠償を求めるよう県を相手取り提訴。1審は県が敗訴したが、2審は県が勝訴し、17年に最高裁はパーソン栃木の上告を棄却した。16年には県が国に返還を求める訴訟を起こし、1審では県が勝訴した。