台風19号による永野川の氾濫で実習機器が水没した栃木工業高は28日、他の県立工業高の機器を借りた実習授業を12月6日から始めることを決めた。生徒らがバスで赴き、旋盤などの機器を使わせてもらう。卒業を控えた3年生が主な対象で、当面は各校と調整した上で同様の措置を続ける。県教委によると、県内では前例がないとみられる。

 栃木工業高敷地内には大量の泥水が流れ込み、平屋の実習棟は2メートル近く浸水した。同棟にあった旋盤などの実習機器は水没し使用不能に。また電力が十分に復旧していないため、実習授業は今も大量の電力消費を避けた内容にしている。

 12月6日は電気科3年生38人が足利工業高、機械科3年生40人が真岡工業高に出向き、実習授業に臨む。両校とも期末試験中のため一日中、機器を借りることができたという。

 就職先が内定している生徒らの卒業に支障を来さないようにするため、他校での実習授業は3年生を優先する。同日以降の具体的な日程などは決まっていないが、2校以外の県立工業高に出向く可能性もある。

 栃木工業高は2015年の関東・東北豪雨でも一部の機器が水没したが、被害を免れ稼働する機器を活用し、実習授業は自校で対応したという。近藤正(こんどうただし)教頭は「実習授業は工業高校にとって大切な時間。その機会を与えてもらい大変助かった」と受け入れを決めた学校などに感謝した。