在日コリアンが多く住む川崎市が全国で初めて、ヘイトスピーチ(憎悪表現)に罰金を科す差別禁止条例を作ろうとしている。12月の市議会での成立を目指す▼条例案は、市内の公共の場所で、外国人退去をあおったり、危害を加えると告げたりすることなどを禁止。市長がやめるよう求めても繰り返した場合、50万円以下の罰金に処する▼インターネットを使った外国人への差別的言動についても、拡散を防ぐために市長が必要な措置を取る。川崎市が独自の条例制定に動いたのは、既存のヘイトスピーチ対策法には罰則がなく、同市での差別的なデモなどを規制できなかったからだ▼さらに、デモを止めようとした地元の在日3世の女性が、神奈川県在住の男性からツイッターで執拗(しつよう)なヘイトスピーチを受けた。男性は脅迫容疑で書類送検されたものの不起訴処分に▼ツイッター投稿は相手が読むとは限らず、脅迫罪の成立要件である「害悪の告知」に当たらないと判断されたようだ。女性は新たに、神奈川県迷惑行為防止条例(つきまといなどの禁止)違反で男性を告訴した▼女性の知人のコリアンらは、「差別までをも娯楽にする人に、NOを突き付ける世の中であってほしい」などとして起訴を求めて陳情書を出している。差別禁止条例の行方とともに、検察の処分が注目される。