本県や茨城など4県にまたがる渡良瀬遊水地は利根川に流れ込む渡良瀬川などの水を調整する役割を持つ。広さや貯留量は日本最大である▼台風19号で、最大貯留量の95%に当たる約1億6千万立方メートルの雨水をため、首都圏の洪水防止に役立った。県内では多くの河川が氾濫したが、県東部を流れる五行川流域は目立った被害がなかった。地元の遊水地群が洪水を調節したとみられている▼五行川はさくら市から芳賀町、真岡市を経て茨城県筑西市で小貝川に合流する1級河川。1986年の台風で洪水が発生したため、県は「芳賀」「二宮」の二つの遊水地の整備に取りかかった▼どちらも右岸と左岸に遊水地があり総面積は59ヘクタール。渡良瀬遊水地を除くと県内最大の広さ。県真岡土木事務所は、台風19号で増水した水を、25メートルプール(幅12メートル、深さ1・2メートル)換算で、芳賀は約217杯分、二宮は約1417杯分を貯留したと試算する▼併せて水田の持つ貯水機能にも注目する。流域は県内でも有数の穀倉地帯で、ほ場整備事業で区画された水田が両岸に広がる。「雨水の貯留、浸透、流出量を抑制する田んぼダムとしての効果があった」と分析する▼19号が接近した10月12日の日降水量は、真岡観測地点で10月の観測史上最大だった。遊水地と田んぼダムの洪水調節効果を再認識した。