河川氾濫などの災害が発生した際、取り残された人の救助に活躍するヘリコプター。台風19号で佐野市に出動したことは記憶に新しい。その陸上自衛隊のヘリコプターの50%はSUBARU(スバル)製なのだそうだ▼先日のしもつけ21フォーラムでの同社常務執行役員航空宇宙カンパニープレジデント兼宇都宮製作所長、戸塚正一郎(とづかしょういちろう)さんの話だ。そう聞くと、「頑張れ」と画面越しに送る心の声も大きくなる▼かつて鉄道車両や風力発電を手掛けた同製作所だが、現在は航空機事業に集中。米ボーイング社に納める主翼、胴体をつなぐ中央翼は、設計段階から参画している。各地の製造拠点の中枢も担う▼多品種少量の航空機部品は外注に頼る部分も大きく、県内の協力会社は90社に及ぶ。部門トップとして目指すのは地域への貢献と共生。これらの事業所の経営環境にも心を砕く▼昨年から今年にかけて海外でボーイング737の事故が続発した問題では、最近になって解決への方向性が見えてきたことに安堵(あんど)感をのぞかせる。長期化が生産に影響するからだ。台風19号が通過した翌日には、自ら近くの被災地に足を運び、協力会社を見舞い被害を確認したそうだ▼講演の最後には「機種が選べるなら(ボーイング)777か787を」とアピール。“栃木産の翼”で空の旅を楽しもうか。