停車場の人混みに故郷なまりを聞きにいく姿を短歌にし、望郷の念を詠んだのは石川啄木(いしかわたくぼく)。関西県人会会長の大喜定夫(だいきさだお)さん(68)=兵庫県加古川市=も同じような思いを持つ▼那須烏山市を離れて50年。故郷を最も思い出すのは「栃木なまりの人と話をする時」だという。だから本県から遠く離れた関西で、同郷の会員たちと交流することは、この上なく楽しいことなのだろう▼今年、設立60周年を迎えた同会。就職や転勤、結婚などを機会に大阪、兵庫など近畿6府県に住むなどする、20代から80代後半の本県出身者74人が会員となっている。帰郷後も脱会せず残る人もいる▼200人を超えた時期もあったが、2004年の県大阪事務所閉鎖により勧誘活動が停滞し、一時は60人ほどまで減った。しかし昨年の県大阪センター開設を機に、徐々に増えつつある▼活動の一つに本県代表の応援がある。野球や駅伝、ラグビーなどの会場に駆け付け、県勢に声援を送る。選手たちには心強い後押しだ。同時に会員にとっては、故郷とのつながりを感じられる貴重な時間だ▼西日本における本県の認知度の低さが指摘され、同センターを拠点にした働き掛けが既に始まっている。本県関係のイベントなどにも参加し、盛り上げ役を担ってくれている同会。本県にとって強力な応援団である。