台風19号による雨で茨城県を流れる那珂川が決壊し氾濫したのに国土交通省関東地方整備局が氾濫を知らせる「氾濫発生情報」を出していなかった問題で、川の上流部分で同様に氾濫が起きた那須烏山と那珂川、茂木の1市2町の計10カ所にも同情報を出していなかったことが14日、同省への取材で分かった。同省の担当者は「同時多発的に氾濫が発生し、現場が混乱していた」と釈明している。

 台風19号で那珂川では、常陸大宮市と那珂市の堤防計3カ所が決壊し大規模な浸水が発生。同情報を発表しなかったとして、10月18日に赤羽一嘉(あかばかずよし)国交相や同整備局が謝罪していた。

 同省によると、その後の調査で、決壊はしなかったものの氾濫が発生した那須烏山の6カ所、那珂川の2カ所、茂木の2カ所にも同情報が出ていなかったことが判明した。茨城県内を含めると、那珂川では計16カ所の氾濫発生地点で同情報が出ていなかったことになるという。この問題を巡っては、常陸大宮市内で決壊した久慈川の堤防3カ所のうち、1カ所でも同情報が出ていなかったことも明らかになっている。

 川が氾濫した際、国は警戒レベルのうち最も高いレベル5に当たる同情報を出し、住民に最大限の警戒を求めることになっている。