川の増水で押し倒された白鴎足利野球部グラウンドのフェンス。漂流物が絡まり、被災の痕が生々しく残る=足利市の渡良瀬川河川敷

増水の影響でフェンスに乗り上げたカヌー=10月20日、栃木市の渡良瀬遊水地

川の増水で土砂が堆積し、グラウンドが波打っている白鴎足利高野球部のグラウンド=足利市の渡良瀬川河川敷

川の増水で押し倒された白鴎足利野球部グラウンドのフェンス。漂流物が絡まり、被災の痕が生々しく残る=足利市の渡良瀬川河川敷 増水の影響でフェンスに乗り上げたカヌー=10月20日、栃木市の渡良瀬遊水地 川の増水で土砂が堆積し、グラウンドが波打っている白鴎足利高野球部のグラウンド=足利市の渡良瀬川河川敷

 県内各地に甚大な被害をもたらした台風19号は高校スポーツの現場にも大きな爪痕を残した。硬式野球の強豪で知られる白鴎足利では、渡良瀬川の増水で河川敷の練習グラウンドが冠水。栃工も校庭に大量の土砂などが流入し、野球部は練習場の確保に頭を悩ます。渡良瀬遊水地を練習拠点とする佐野東、小山南のカヌー部は艇庫のカヌーが被害を受けた。復旧作業は進んでいるものの、以前の状態に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。

 11日夕、足利市渡良瀬川左岸の白鴎足利野球部グラウンド。普段なら部員の声が響き渡るはずの時間に人けはなく、静けさだけが広がる。

 先月の豪雨で練習場は1・5メートル以上も冠水したとみられる。水圧でゆがんだフェンス、土砂が堆積して波打った内野の土、芝生の一部がえぐり取られた外野、ベンチ脇に横たわる流木…。台風被害が生々しく残る。まだグラウンド使用再開の見通しは立っていない。

 「冠水の経験はあっても、ここまでの被害はありません」。同校野球部の藤田慎二(ふじたしんじ)監督が深いため息を漏らす。新チームが基礎固めをする重要な時期にグラウンドが使えず、室内練習場での素振りや筋力トレーニングが中心。守備ノックやフリー打撃の練習は足利市営球場や小山市内へ移動して行っている。

 今春の県大会で準優勝した栃工野球部も被害は同様だ。敷地に隣接する永野川が氾濫し、グラウンドに大量の土砂が堆積。数百球にも上る練習球が水に漬かった。土砂はOBや保護者らの協力もあって撤去されたが、野球部員を含む屋外部活動の生徒は校庭に入れない状況が続く。栃商も被災し、現在もグラウンドの使用を制限している。

 県高野連の藤田光明(ふじたみつあき)理事長は「被災校の力になれることはしていきたい。練習場所は合同練習などで協力できれば」と周辺校に呼び掛ける。一方、栃工では表土除去などの作業も必要なため完全復旧まで数カ月を要するとみられる。県教委施設課は「学校との協議で復旧箇所の優先度を決め、年度内を目指したい」としている。

 野球部ばかりではない。渡良瀬遊水地を練習拠点とする佐野東、小山南カヌー部は、湖岸の艇庫で保管していたカヌーが被害にあった。増水に伴って浮いた複数のカヌーが庫内のはりと接触して破損し、有刺鉄線を張り巡らしたフェンスに乗り上げた船体もあった。

 佐野東カヌー部の関一登(せきかずのり)監督は「何艇かは修復不可能なレベル。全体の被害はどれだけに上るか分からない」と頭を抱えている。