収集され、分別される災害ゴミ=11日午前、栃木市川原田町の市総合運動公園

 台風19号で発生した大量の災害ごみ。県は県内全域の推定量を2015年の関東・東北豪雨の10倍に相当する約10万トンと見込む。福田富一(ふくだとみかず)知事は「1年以内の処理」を目指すとしているが、被害が大きい市町は、自前の施設で一般家庭から排出される焼却ごみと並行した処理は困難な状況。県外を含め他市町などの協力を得て一部で第三者による処理が進められているが、受け入れの協議は始まったばかりで先行きは不透明だ。

 県などによると、災害ごみは栃木市で約2万トン、佐野市で約1万5千トンという。

 県内で最も多く災害ごみが発生した栃木市では、焼却施設「とちぎクリーンプラザ」で処理をする。同市によると、1日当たり237トンの処理能力を有するが、災害ごみの処理に割くことができるのは最大80トン程度。ただ、施設への負担を考慮すると処理能力限界で稼働させることは難しい。また、二つの焼却炉の片方が12月に点検を実施するため、点検中の2~3週間は処理能力が半減する。

 同市の担当者は「市の施設だけでは1年以内の処理は厳しい」と説明する。既に壬生町と佐野市にある産業廃棄物処理業者に依頼し、計500トンの家具などを処理した。日光市や県外の産廃業者などとも受け入れに向け協議しているが、「受け入れ時期などが決まらないと見通しは立たない」と話す。

 佐野市は自前の焼却施設が2カ所あり、1日当たりの余剰処理能力は最大で計100トン程度。10月28日から、桐生市が1日10~20トンの災害ごみを受け入れているほか、市内の産廃業者が畳の処理を請け負っている。同市の担当者は「燃えるごみの処理はめどが立ったが、それ以外の処理先は決まっていない」という。

 また仮置き場には、災害ごみとはみられない古い家電などが持ち込まれているという。同市の担当者は「便乗して持ってきたごみはかなりあるとみられる」と説明する。同市は今後、持ち込む際に罹災(りさい)証明書の提示を求める方針だ。

 県なども夜間の不法投棄を抑制するため、見回りを強化している。