観光の帰り、温泉で疲れを癒やすのは格別だ。日光市営の鬼怒川公園岩風呂はそんなスポットの一つ。温泉に向かう坂道は300メートルにわたってアジサイが植えられ、梅雨時になれば入浴客の目を楽しませる▼ただ、その根元にはペットボトルやレジ袋が散乱している。岩風呂に程近い鬼怒川小の3年生は今年、授業で地域を歩いて惨状に気付き、ごみ拾いを始めた▼だがごみは減らず、投棄防止を訴える看板を作ろうと発展した。設置は道路管理者である市の許可がいるとの先生の助言もあって、18人全員で行政センターを訪れ、要望書を出したと小紙に載った▼小学生が身近な課題をもとに社会の仕組みを学び、解決に向け動きだした。自分たちの未来を行政や政治に任せっきりにせず、自ら考え行動するのが民主主義である。何とも頼もしい▼思い浮かんだのは、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)だ。地球温暖化を防ごうと立ち上がり、世界的なうねりを起こした。子どもや若い世代の真摯(しんし)な心と行動力を大人は見習う必要がある▼子どもたちは市の担当者から許可に必要な申請書をもらい、目下、2枚の看板作成に励んでいる。来春までに、出来上がった看板の写真を添えて申請するという。地域を思う子どもたちの熱意で、ごみのない観光地に変わると期待したい。