復旧に向け準備する那珂川南部漁協の関係者=10月31日午前、那須烏山市興野

サケの人工ふ化に向け準備を進める茂木町漁協の関係者=8日午前、茂木町大瀬

台風19号に被災する前のサケのふ化施設(那珂川南部漁協提供)

復旧に向け準備する那珂川南部漁協の関係者=10月31日午前、那須烏山市興野 サケの人工ふ化に向け準備を進める茂木町漁協の関係者=8日午前、茂木町大瀬 台風19号に被災する前のサケのふ化施設(那珂川南部漁協提供)

 県内で最も多くサケが遡上(そじょう)する那珂川で人工ふ化放流を実施する4漁協のうち、茂木町、那珂川南部両漁協の2カ所のふ化施設が台風19号による増水で損壊した。本格的な遡上シーズンを迎え、ふ化事業への影響が懸念されたが、関係者の懸命の取り組みで今週末までに両施設とも復旧する見込みだ。漁協関係者は「何とか間に合った」と胸をなで下ろしている。

 県鮭鱒(けいそん)協会によると、県内では4河川の各漁協が例年11月上旬~12月中旬に人工ふ化を行う。遮光幕で覆ったビニールハウスを設置し、水槽に人工授精させた卵を入れふ化させる。稚魚は県水産試験場などで育て翌春放流する。那珂川では昨季、約42万匹が放流された。

 茂木町大瀬の茂木町漁協のふ化施設は保管していた遮光幕や8個の水槽すべてが増水で流された。施設の土台も土砂で覆われた。サケの産卵時期が迫っていたため急いで資材を調達し、8日に設備を整えた。

 同協会の事務局を務める同漁協は専用施設のない渡良瀬漁協(渡良瀬川)、下都賀漁協(思川)のふ化も請け負っており、佐藤文男(さとうふみお)組合長(74)は「間に合って良かった。子どもたちも稚魚の放流を楽しみにしている」と安堵(あんど)する。

 那須烏山市興野の那珂川南部漁協は10月上旬に設置したハウスが流され、地下水をくみ上げるポンプも壊れた。今季のふ化を諦めかけたが関係者の後押しもあり、この週末にも仮テントを張ってふ化を始める予定。大森一良(おおもりかずよし)組合長(73)は「いつもと条件が違うので難しい面はあるが、少しでも例年に近付けたい」と話した。