古い書類の乾燥作業などを行う市文化課のスタッフ

 台風19号で被災した鹿沼市清洲第一小。校長室の保管庫などにあった卒業生や教職員名簿などのつづりや書類、集合写真など貴重な学校の“歴史の証人”が水に漬かってしまった。連絡を受けた市教委文化課のスタッフは、文化財の保存などで培った技術、知識を生かし水洗いや乾燥作業を連日行い、修復している。

Web写真館に別カットの写真

 同校は思川の氾濫などで土砂が大量に流入、学校関係者、ボランティアらが校舎内の泥出しを行い、自衛隊が校庭に積もった土砂、泥を片付けた。しかし変電設備が水没したため、市粟野中を間借りして授業を行っている。

 「校長室にも泥水が押し寄せ、約30センチたまりました」。設楽昭子(しだらあきこ)校長(57)は当時を振り返る。保管庫、金庫内の下側部分に置いてあった名簿、書類、写真などは水に漬かり、一部は泥にまみれた。中には1910年の集合写真、11年の古い書類などもあった。

 同課は10月18日、段ボール15箱分を回収。「かびが生えるのを防ぎたい」とすぐに作業を開始。書類は消毒エタノールを噴霧、1ページごとにキッチンペーパーを挟んで水分を吸い取る。数日間、毎日ペーパーを替える作業となる。泥が付いた写真は水洗いし、フィルム付きのアルバムはフィルムを丁寧にはがし、乾燥作業となる。

 同課の神山修(かみやまおさむ)さん(46)は「貴重な資料なので丁寧に取り組んでいます。全体で3割ほどの作業が済んだ」と話し、中性紙の袋に整理して返却するという。

 修復している書類の多くは保存期間の定められた資料。設楽校長は「保存期間が過ぎた資料もあるが、写真を含め大切なもので本校の歴史そのもの。大変な作業に感謝したい」と話した。