避難所となっている栃木市内の体育館。空調設備はなく、石油ストーブで暖を取る=3日夕方、栃木市入舟町

避難所となっている栃木市内の体育館。空調整備はなく、石油ストーブで暖を取る=3日夕方、栃木市入舟町

避難所となっている栃木市内の体育館。空調設備はなく、石油ストーブで暖を取る=3日夕方、栃木市入舟町 避難所となっている栃木市内の体育館。空調整備はなく、石油ストーブで暖を取る=3日夕方、栃木市入舟町

 台風19号の本県直撃から3週間が過ぎたが、今も避難生活を続け、自宅の復旧もままならない人たちがいる。11月に入り朝晩の冷え込みが強まり、避難所ではストーブや毛布、カイロなどの寒さ対策が進む。「早く自宅に帰りたい」。帰宅時期が見通せず、不安の募る避難者に、心から笑顔が戻るのはまだまだ先だ。

 「昼間は日差しがあるが、夜は寒くてどうしようもない」。3日夕方、栃木市中心部にある栃木中央小体育館。避難者の同市湊町、無職酒井勇次(さかいゆうじ)さん(70)はため息をつく。

 日中は泥だらけになった自宅を片付け、夕方に避難所へ戻る日々。この日も家族と朝から作業をしたが、終わる見通しはまだたたないままだ。

 同体育館は空調設備がないため、業務用石油ストーブ3台を置いて寒さをしのぐ。食事は避難所で3食とも提供を受けている。酒井さんはさまざまな支援に感謝する一方、本音を漏らす。「服を着込むのにも限界がある。一日も早く元の生活に戻りたい」

 同市錦町、主婦(79)は2015年の関東・東北豪雨の際も被災し、同体育館で1カ月ほど過ごした。「2度もお世話になるなんて…。こんな惨めなことはない」と声を絞り出す。

 夜は熟睡できず、体重も4キロほど落ちた。被災当初は流れた涙も、3週間が過ぎ、枯れてきたと感じる。

 20人ほどが生活する避難所には段ボールベッドや布団が運び込まれ、数日前には洋服やパジャマなどの支援物資も届いた。主婦は「皆さんの支援があって、暖かく過ごせている」と感謝する。

 県によると、1日午後2時現在、栃木、佐野、足利市などの避難所に132人が身を寄せた。県内で開設中の避難所の多くは、冷暖房を備える。各市は避難者の必要に応じ寒さ対策を講じるほか、健康状態にも注意している。

 佐野市は、被災地の要請を待たずに物資を送る政府の「プッシュ型支援」で届いたカイロ2160枚を、各避難所に配布した。避難所の一つ茂呂山老人福祉センターでは、600枚のカイロを避難者に渡した。「必要に応じ確実に寒さ対策を重ねる」と市の担当者。同センターに大型商業施設から届いた防寒着と併用するなどして、暖を取るように呼び掛けている。