緑地公園だった黒川河川敷は流木や大小の石で無残な姿に=2日午後、鹿沼市朝日町

緑地公園だった黒川河川敷は流木や大小の石で無残な姿に=2日午後、鹿沼市朝日町

緑地公園だった黒川河川敷は流木や大小の石で無残な姿に=2日午後、鹿沼市朝日町 緑地公園だった黒川河川敷は流木や大小の石で無残な姿に=2日午後、鹿沼市朝日町

 鹿沼市中心部を流れる黒川の堤防、緑地公園が台風19号で甚大な被害を受け、無残な姿となった。一部は大型土のうが積まれるなど応急処置が施されているが、ほとんど手付かずのまま。大雨のたびに被害が出ており、市は「復旧する際、原状、原形復帰ではなく、何らかの方法を検討しなければならない」としている。長期間の工事が見込まれ、来年5月の花火大会は中止になることが濃厚だ。

 「いつまでこのままなのかな」。近くに住む70代男性は、橋から護岸が崩れた下流を見つめた。JR鹿沼駅と市役所を結ぶ府中橋。右岸堤防は橋の上流、下流とも高水護岸、低水護岸とも一部が崩れた。市民の憩いの場でもある緑地公園は芝生がなくなり、大きな石やコンクリート片、根からもぎ取られた流木などが散乱している。近くのマンション住民からも心配する声が多く出ている。

 黒川の緑地公園は市が県から河川敷の占用許可を得て公園としている。睦町の市図書館から貝島町の貝島橋下流までの右左岸で広さは8万2100平方メートル。今回は約6万8千平方メートルで被害が出たと試算している。

 工事は長期化する見込みだ。市都市建設部によると護岸工事は国の補助を得た後、県が災害査定を行い川幅も含めて設計、工事を発注。出水期(6~10月)は休工になり、緑地公園化を進めるのは早くても来秋以降になるとみられる。

 4年前の関東・東北豪雨時も今回同様の被害が出た。その後も台風の大雨で浸水被害が出ており、その都度補修。市民の間には「お金をかけない方法を選ぶべきだ」という声も多い。

 市は「原状復帰」という災害時の方針を“路線変更”する考えだ。佐藤信(さとうしん)市長は市議会全員協議会で「緑地公園復旧に関しては新たな方法を検討したい」と述べた。小型遊具などは設置せず、植栽も最小限にする。県が設置、市が管理する歩行者専用の「ふれあい橋」は2度流されたため、掛け替えないという案もあり、今後検討するという。

 市によると鹿沼東中や球技団体、レクリエーション団体など年間2万2千人が利用。さらにジョギング、散歩などをする人も多い。

 河川敷は鹿沼さつき祭り協賛花火大会の会場にもなっている。2016年の花火大会は前年の関東・東北豪雨の復旧が間に合わず中止となっており、「来年の開催は厳しいのでは」と市関係者は話す。