史跡足利学校に設置されている消火用の放水銃=31日午後、足利市昌平町

 那覇市の首里城火災を受け、県内の歴史的建造物では31日、火の気の点検などが行われ、関係者が防火意識を改めて高めた。沖縄に修学旅行中の学校もあり、旅程の変更などの対応に追われた。一方、「沖縄のシンボル」の焼失に、本県出身の沖縄県在住者は動揺を隠せずにいた。

 平成の大修理の大詰めを迎えている世界遺産「日光の社寺」。日光東照宮の稲葉尚正(いなばたかまさ)権宮司(50)は「どこが火元になるか分からない。ひとごとではない」と危機感を募らせる。

 1日から国宝・大猷院(たいゆういん)などのライトアップを控える日光山輪王寺は、担当部署へ警戒強化を呼び掛けた。日光二荒山神社は職員に、改めてストーブの取り扱いなど注意喚起した。

 国史跡構成建物の大成殿など木造建築を数多く抱える史跡足利学校は、敷地内に火の気がないか点検した。同学校内は放水銃や屋外消火栓などの消火施設を備えるほか、敷地内は伝統行事を除いて火気の使用を禁止している。同学校事務所の大沢伸啓(おおさわのぶひろ)所長は「事務所職員などに、改めて注意を徹底した」と話した。

 県教委文化財課は文化庁の通知を受け、県内各市町教委に、文化財所有者へ防火設備の点検などを呼び掛けるよう求めた。

 首里城火災は、県立高の修学旅行にも影響。30日から沖縄へ修学旅行中の小山西高は、最終日の2日に首里城を見学する予定だったが、変更するという。5日から修学旅行の宇都宮東高も、ルートの一部変更を検討している。

 沖縄県在住の本県出身者で構成する県人会「栃の葉会」の副会長高久健治(たかくけんじ)さん(66)=同県南風原町(はえばるちょう)=は「沖縄のシンボルが焼けてしまい、非常にショックを受けた」と声を落とす。

 自宅からは明け方ごろ、煙とオレンジ色の炎を上げる首里城の様子が見えたという。「復興して世界遺産にもなり、首里城は沖縄の中心的な場所。言葉にならない」と絶句した。