店舗外に並ぶ災害ごみの片付け作業をする従業員ら=31日午後、栃木市柳橋町

災害ごみの片付け作業を行う従業員ら=31日午後、栃木市柳橋町

浸水被害を受け廃業が決まった店舗内を見渡す稲垣社長=31日午後、栃木市柳橋町

流れてきた椅子や備品が散乱した廊下=10月13日午前、大谷デイサービスセンターみやスマイル(同施設提供)

布団が泥だらけになり、椅子が散乱した「大谷デイサービスセンターみやスマイル」の室内=10月13日午前、宇都宮市大谷町(同施設提供)

店舗外に並ぶ災害ごみの片付け作業をする従業員ら=31日午後、栃木市柳橋町 災害ごみの片付け作業を行う従業員ら=31日午後、栃木市柳橋町 浸水被害を受け廃業が決まった店舗内を見渡す稲垣社長=31日午後、栃木市柳橋町 流れてきた椅子や備品が散乱した廊下=10月13日午前、大谷デイサービスセンターみやスマイル(同施設提供) 布団が泥だらけになり、椅子が散乱した「大谷デイサービスセンターみやスマイル」の室内=10月13日午前、宇都宮市大谷町(同施設提供)

 台風19号の豪雨被害を受け、栃木県内の店舗が31日、廃業したほか、高齢者対象の福祉施設が閉所した。深刻な浸水被害という現実を突き付けられ、苦渋の決断を迫られた。

■栃木・弁当仕出し店 地域に愛され40年、廃業惜しむ声

 台風19号による浸水被害を受け、栃木市柳橋町の弁当仕出し店「金時(きんとき)給食センター」が31日廃業し、従業員らは最後の片付け作業に追われた。40年以上毎日手作り弁当を提供し、地域に愛された店の苦渋の決断だった。

 台風最接近の12日、店内に胸ほどの高さまで水が押し寄せ、冷蔵庫など業務用品が全て故障。壁や床なども大量の泥にまみれた。

 連日復旧作業を続けてきたが、全てを新調し再開するまでには最低でも3千万円かかる見込みで、再建は困難と判断。最終的に廃業を決断した。

 同店は従業員が出来立ての弁当を配達し、独り暮らしの高齢者などから重宝されていた。廃業を聞いたなじみ客からは「残念だ」「やめてほしくない」といった声が届いているという。

 かつて33人が働いていた同店。だが、被災後「私たちの人件費がかかるのは申し訳ない」と退職を願い出た従業員もいた。

 この日、残った従業員ら8人は災害ごみを仮置き場へ運搬するなどした。一段落すると、稲垣登喜男(いながきときお)社長(77)は「40年以上もみんなとやれて楽しかった。また会おうな」と涙を流しあいさつした。

■宇都宮・デイサービス施設 再度の浸水で閉所に

 台風19号で深刻な被害を受けたとして、宇都宮市大谷町のデイサービス施設「大谷デイサービスセンターみやスマイル」が31日、閉所した。今回の台風被害で高齢者の福祉施設が廃止されるのは県内で初めてとみられる。

 運営する高石コーポレーションの佐藤利江(さとうとしえ)取締役部長(67)によると、同施設は旅館だった建物を利用した2階建てで、1階部分を施設として使用。定員26人で、毎日平均約23人が利用していた。

 台風によって近くの姿川が氾濫し、室内が約1メートル浸水。ホールや調理場、風呂場などが泥だらけになった。施設は2015年にも台風で床上浸水の被害を受け、床の張り替えなど復旧に約800万円を要した。

 「地域の高齢者に大切に利用してもらっていたが、建物も古く、今回直してもまた台風で被害を受ける可能性があるため閉所を決めた」と佐藤部長。同施設の利用者は他の関連施設へ通っているという。