「いじめるつもりはなかったが、エスカレートした」。子どもの言い訳ではない。先生たちだ。神戸市立東須磨小の30~40代教諭4人が同僚4人をいじめていた問題は次々に新事実が出ている▼被害者の男性教諭(25)が羽交い締めにされ、激辛カレーを食べさせられて「ごめんなさい。辛いの好きじゃないんです」と訴える動画からは同僚たちの笑い声も。熱湯入りのやかんを顔に押し付けられるなど50種類以上のいじめを申告。警察が捜査している▼前校長も飲み会への参加を強要、いじめを相談しようとすると「いじめられてないよな」と話したといい、組織的な構図も浮かび上がった▼同小では、2017年度はなかった児童同士のいじめが急増。本年度は認知件数が半年で16件に上り、市教育委員会は「教員の状態が影響したのでは」と分析している▼子どもは大人を見て育つ。これでは子どもたちのいじめも、いつまでもなくならない。背景に閉鎖的で「同調圧力」を生む学校文化があるのではないか。閉ざされた空間で同じ価値観に染まる集団は異論を唱えにくい▼この問題を一過性の嫌な出来事として早く忘れようとするのでなく、学校の本質にメスを入れ、学校や日本社会を変えるきっかけにしたい。学校が「ブラック職場」とされ、教員志望者が減る今、強くそう願う。