台風19号による市内の被害状況について説明した岡部市長

 【佐野】岡部正英(おかべまさひで)市長ら市幹部は30日の定例記者会見で、台風19号による市内の被害状況を説明した。農業や商工業、公共インフラなどの被害総額は100億円超に上り、さらに膨らむ見通しだ。浸水を受けた家具などの災害ごみは7500トンに達し、処理には少なくとも1年を要する見込み。大木聡(おおきさとし)総合政策部長は災害対応に向けた補正予算について「特に道路、商工業などの被害に重点を置いたものになると考えている」と説明した。

 農作物や農機具、水利施設など農業に関する被害は推計で計約23億4700万円に上った。特に田島町、並木町、柿平町の農地で甚大な被害が生じたという。作物別ではイチゴやコメ、ナシの被害が多かった。

 公園や河川、市道などの公共インフラの被害は35億円以上に上るほか、商店や事業所など商工業への被害は概算で48億円に達した。農業、商工業、公共インフラの合計では現時点で被害額が100億円を超える計算だ。公共インフラ、商工業の被害額は今後も大幅に増えるとみられるという。

 床上・床下浸水は計約2700棟で、浸水した家具や畳などの災害ごみの量は今後1万トンに達する見込み。市内2カ所のごみ焼却施設などで処理を進め、処理には1年以上の期間を要するという。

 災害に対応する補正予算編成について、大木部長は「関係各課から上がってきた予算を精査している」と説明。本年度事業で優先度を吟味して予算を減らす「事業仕分け」を行い、「浮かせたお金と財政調整基金をミックスさせ、補正予算に対応する」と話した。

 市内の被害を受け、ふるさと納税サイト「さとふる」では、緊急支援募金のコーナーを開設している。市によると、市への寄付総額は29日までに約1210万円に上った。

 岡部市長は「今後も国や県と密接な連携を図り、復旧に向けて全庁一丸となって取り組む」と復興への意気込みを語った。