路上には土が残り、車が通るたび土煙が舞う。道路脇には泥が積まれ、異臭も気になる=27日午後、栃木市薗部町3丁目

 台風19号の本県最接近から2週間以上がたち、体調不良を訴える人が増えている。栃木県内最大の約1万3800棟が浸水した栃木市では、土ぼこりが舞う中、土砂の清掃や家屋の片付けを続けたことで、せきなどの症状に悩まされる人も。呼吸器科の医療機関などへの外来も増えてきている。医療機関はマスクを着用するなど、注意を呼び掛けている。

 栃木市薗部町3丁目、決壊した永野川から100メートルほどの住宅地。路上の汚泥はおおむね撤去されたが、表面には土が残り、車が通るたびに土煙が舞う。道路脇には家の中からかき出した泥が袋で積まれるなどしているが、異臭を放ち羽虫がたかっている所もある。

 同所、会社役員寺内治雄(てらうちはるお)さん(74)は積まれた土砂を横目に「衛生面で心配だ」とつぶやく。一帯の住民は日々家の中の泥出しなどに明け暮れるが、「ほこりが気になる。体調を崩す人も出ている」。別の男性(81)も「今は気が張っているから大丈夫だけど、その後が(体調を崩しそうで)心配」と打ち明けた。

 避難所のとちぎ西部生きがいセンターに避難している人の中には、日中は自宅に戻り作業をしている人もいる。同市の保健師は「せきが止まらなくなったという人も何人かいる。感染症の心配も気にはしている」と話す。市内の各小中学校は、児童生徒に登下校時のマスク着用を指導している。

 一方、同市大平町川連の急性期病院「とちぎメディカルセンターしもつが」では、ぜんそくが増悪したなどといった外来がここ最近増えてきたという。

 同病院を運営する一般財団法人とちぎメディカルセンターの福田健(ふくだたけし)理事長(呼吸器、アレルギー内科)は「泥が乾燥し空気中に舞い上がった浮遊粒子状物質を吸引することで、ぜんそくを再発させたり、増悪させたりする可能性はある」と指摘。「作業の際はできるだけきめの細かいマスクを身に着け、終わったらうがいをする。ほこりもはたかず拭き取るなどして、舞い上がらせないことが大切」と注意を呼び掛けた。