HIAという言葉をご存じだろうか。HIは頭部外傷、Aは評価の英語の頭文字だ。スポーツ中のアクシデントで脳振とうの疑いのある選手を、一時プレーから退かせ、医師が確認することだという▼ラグビーワールドカップで選手が退場したときにこの言葉を知ったという方も多いかもしれない。格闘技や身体が接触するスポーツで、頭への障害が問題視されたのは意外と最近のことだ▼2001年、スポーツにおける脳振とうに関する第1回の国際会議がウィーンで開かれ、16年の第5回まで回を重ねている。その成果として、スポーツの国際団体、国別の競技団体の多くが、脳振とうの疑いのある選手へのケアを規則に盛り込むようになった▼日本ではラグビーのトップリーグが16年からHIAを導入。サッカーJリーグでも、同年に対応を決めた。だが、青少年、特に子どもたちへの取り組みは遅れている▼子どもの試合はプレーも未熟だし、体格差、体力差が大きく、ちょっとした接触で思わぬアクシデントに至る。チーム指導者は練習試合を組んだ際に、そこにできれば医師を招いた方がいいと意識しているだろうか。頭を打った子に、念のため医師の診察を受けるよう促しているだろうか▼スポーツの将来を背負う若い才能を壊さぬよう、関係者はぜひ、心にとどめてほしい。