栃木市皆川城内町では柏倉川などが氾濫し家屋が浸水。しかしハザードマップでは浸水想定区域には含まれていなかった

 台風19号により広範囲が浸水した栃木市では、ハザードマップで浸水想定区域に指定されていない地域での浸水が目立った。市内では多数の小河川が氾濫したが、ハザードマップの対象でなかった。一方対象河川の流域でも、浸水想定区域外にもかかわらず浸水した場所があった。ハザードマップは今年4月に改訂したばかりだが、早くも見直しが必要となってきそうだ。同市は「区域ではないからといって安心はできない」と注意を呼び掛けている。

 ハザードマップは、国、県が管理する洪水予報河川などを対象に、国と県が「1千年に1度」の降雨量を想定し洪水浸水想定区域図を公表。同市がそれを踏襲し、4年前の関東東北豪雨の浸水実績なども踏まえ今年4月に改訂した。

 対象河川は台風19号で堤防の複数箇所が決壊した永野川、巴波(うずま)川など6河川。しかし今回決壊した三杉川、越水した柏倉川をはじめとした小河川は、国、県の管理ではないためマップの対象外だった。皆川城内町、岩舟町小野寺などが浸水想定区域でないのにもかかわらず浸水した。

 同市危機管理課によると、小河川については河川の多くに水位計が設置されていないため、浸水区域の推計が難しいという。今後複数河川で水位計を設置する方針だが「データの蓄積がないと浸水区域の推計は難しい」といい、反映には時間がかかるとみられる。

 一方、県が管理する永野川の流域では、大平地域を中心に浸水想定区域の広範囲で浸水したが、区域外だった大平西小でも10センチほど床上浸水するなどした。県が作成した区域図について、県河川課は「今後大きく見直す必要は出てくる」とし「今後は河川監視カメラ、水位計の設置も含めて、どうあるべきか検証する必要があると思う」とした。

 同市危機管理課はマップの改訂後、説明会などで「大雨の際は浸水想定区域外でも浸水する恐れがある」と注意喚起してきた。同課は「マップに含まれていないものには小河川の氾濫や(雨水が用水路に流入しあふれるなどの)内水氾濫もある。想定以上の水が来る危険性があるということは理解しておいてほしい」と話している。