国宝中尊寺金色堂(岩手県平泉町)の中央に4本の「巻柱(まきばしら)」がある。表面に漆で文様を描き、金などの金属粉を付着させる蒔絵(まきえ)と、夜光貝の摺(す)り貝を文様に切り貼りした螺鈿(らでん)で、空想の花である宝相華文(ほうそうげもん)と仏像が表されている▼世界中どこにも見当たらない華麗な柱といわれており、その復元品が日光市の小倉山にある小西美術工藝社付属「うるし博物館」で見ることができる。宮城県立東北歴史博物館の主要展示物として1999年に製作されたのと同じものだ▼うるし博物館館長の小西●也(こにしたくや)さん(84)は、51年前の昭和の大修理で金色堂の漆工修理に携わった。赤坂迎賓館などの修理なども手掛けた第一人者である▼「日本の漆塗り文化を少しでも多くの人に感じてもらいたい」との思いで22年前、工藝社日光工房敷地内に博物館を開いた。江戸時代の印籠や色紙箱など数百点を所蔵している▼冬季を除く3~11月の土、日、月曜日に開館し入場無料。PRしていないにもかかわらず、海外からも訪問客がある。来春からは在り方を変えて、写真や映像を使ったバーチャル博物館への移行を予定し、開館日は月に数日、限定した予約制を考えている▼デジタル技術の進歩は目覚ましい。漆工芸品の素晴らしさを、インターネットで国内外にアピールするというのも時代の流れなのだろう。

●は日に卓